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若年者の心臓突然死に対する死後遺伝学的検査の有用性に関する論文が掲載されました

GIFT projectのメンバーである福嶋佳菜子らによる、若年者の心臓突然死後の遺伝学的検査に関する研究が、2026年3月に米国で開催されたAmerican College of Medical Genetics and Genomics(ACMG)の年次学術集会において「Top-rated abstract」に選出されました。

また、本研究の成果をまとめた論文が、2026年9月に国際学術誌 Genetics in Medicine に掲載されました。

研究の概要

本研究では、若年者の心臓突然死後に実施される遺伝学的検査(Postmortem Genetic Testing: PMGT)について、世界23か国から報告された66研究、計4,452例を対象にシステマティックレビュー・メタ解析を行いました。

研究で明らかになったこと

その結果、検査を受けた症例の約19%(95%信頼区間:15~24%)で、遺伝性の心疾患などの遺伝子に病的である可能性が高い変化(病的バリアント)が検出されていたことが明らかになりました。

また、検出された病的バリアントの約76%は、ACMGのSecondary Findingsリストに含まれる遺伝子に認められました。これらの結果は、死後遺伝学的検査が、亡くなった方の死因の理解だけでなく、遺されたご家族の健康管理や予防的介入につながる可能性を示しています。

遺族・家族への支援に関する課題

一方、本研究では、検査の実施前後における遺族・家族への支援体制にも着目しました。対象研究のうち、35%では遺族・家族へのフォローアップの取り組みが報告されておらず、61%では検査前の説明や同意取得、遺伝カウンセリングの実施状況が明確にされていませんでした。

これらは、実際に支援が行われなかったことを意味するものではありませんが、死後遺伝学的検査に伴う遺族・家族への対応について、既存研究における報告が限られていることを示しています。 

死後遺伝学的検査の意義を十分に生かすためには、検査によって病的バリアントを見つけることにとどまらず、ご家族への適切な情報提供や意思決定支援、検査結果の返却、必要に応じた血縁者の健康管理までを見据えた、当事者・家族中心の支援体制が重要です。

GIFT project の今後の取り組み

GIFT projectでは、こうした研究成果を踏まえ、医療者、研究者、当事者・市民など多様な立場の方々とともに、死後遺伝学的検査を必要とする方々に適切に届けるための仕組みづくりを進めていきます。

掲載論文

Fukushima KK, et al. Detection rate of pathogenic variants by postmortem genetic testing for sudden cardiac death among children and young adults: Systematic review and meta-analysis.

Genetics in Medicine. 2026;28:102714.

https://doi.org/10.1016/j.gim.2026.102714

※本論文はオープンアクセスで公開されており、どなたでも全文をご覧いただけます。

学会発表(Top-rated abstract)

Detection rate and family-centered procedure of postmortem genetic testing for sudden unexplained death in the young: Systematic review and meta-analysis.

2026 ACMG Annual Clinical Genetics Meeting(米国・ボルチモア、2026年3月)

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2949774426001305